「緑の goo」をご存知だろうか。検索するだけで環境保護団体に寄付ができるというユニークなサービスで、NTT レゾナントのポータルサイト「goo」の特設サイトとして運営されている。専用のブログパーツやツールバー、Firefox 用検索対応プラグインなども用意されており、この 12 月からは「緑の goo 版 Firefox」が提供されることになった。今回のコラボレーションはどのように実現したのか。緑の goo を担当しているポータル事業本部の永井孝久さんと澤村正樹さんに話を伺った。
がんばらず環境に貢献できる方法を模索
今年の 8 月 21 日からスタートした緑の goo。もともとのアイデアは goo で検索システムの開発を担当している澤村さんが考えたものだ。
「goo では 1999 年から『環境 goo』という環境情報サイトを開設するなど、早くからエコへの取り組みを始めていました。その影響で僕自身も環境への関心が高まり、プログラマという立場から検索とエコをもっと連動させる方法はないかと考えていました。それも生活の中に自然に取り込めて、できるだけ長く続けられるようにしたい。そこで思い付いたのが“検索すると寄付ができる”というシンプルな仕組みでした」
環境に貢献する方法といえば、ペットボトルを洗ったり、電気を消したり、がんばらないとできないような風潮がある。募金活動にしてもネットではワンクリック型募金が簡単な方法として浸透しているが、心理的なハードルはまだ高いと澤村さんは感じていた。
「こうした活動は人に伝えて広げてもらうことで効果が上がるわけですが、ワンクリックといえども“募金”だと、なかなかすすめにくいところがある。けれども“緑の goo を使って検索してよ”というのであれば言いやすいし、普段からよく使われる機能なので抵抗が少ないと思ったんです」
澤村さんは同じ部署で企画を担当する永井さんと協力して社内会議で緑の goo を提案したところ「検索というユーザーに役立つことが寄付につながるのはおもしろい」と賛同が得られ、すぐにサービスの作り込みが始まった。配布するブログパーツなどは澤村さんがプログラミングし、永井さんはページの構成などを担当している。
「寄付の方法については我々は環境のプロではないので、環境 goo での取材経験などを元に専門家にも相談して検討を重ねました。ユーザーに検索してもらうことで goo が得られる収益の約 15% 相当を寄付金となるよう設定しましたが、あえて寄付する先は固定せず、国際的な環境問題に取り組むいくつかの団体の中から選ばせて頂いています」と永井さん。「金額や環境保護団体についての情報をサイトで公開しています。そこがどのような活動をしているか検索してもらえばそれがまた寄付につながる。いい意味での循環にしていきたいと考えています」
意識の高いユーザーに使ってほしい
緑の goo のトップページには、全体での検索回数に応じて成長する「goo の木」が表示されている。専用のブログパーツは goo の木の成長が見られるだけでなく、パーツから検索によってどれだけ木が成長したかもわかるようになっている。さらに、緑の goo では、通常の検索サービスよりも入力するキーワードに環境に関することが多いそうだ。
永井さんによると「緑の goo を利用されるブロガーは環境に関心が高く、検索ワードにも影響を与えている」と言う。「エコに対して意識的に活動したいと思っている人ほど影響力は高いと感じています。そこで思い付いたのが、Mozilla Japan に協力をお願いして『緑の goo 版 Firefox』をリリースすることでした。デフォルトのブラウザではなく、あえて Firefox を使おうとする方は、自分の行動を意識的に選べる力を持っていると思います。そういうユーザーであれば、緑の goo にも積極的に賛同していただけると期待しています」(永井さん)
ブラウザ全体が緑の木々に覆われているような雰囲気になる緑の goo 版 Firefox は、機能よりデザインにこだわっている。「通常、アドオンは機能寄りの発想で開発されるものですが、今回は見た目を重視してみました」と澤村さんは言う。「環境保護というのはそう簡単に効果がぽんと現れるものではないので、できるだけ長い時間使い続けてほしいのです。そうした点でも Firefox と緑の goo の目標は似ていて、相性がいいと感じています」
緑の goo では一定額ずつ年数回に分けて団体の寄付を計画しており、11 月末に第 1 回の寄付が行なわれた。さらにペースを上げていくために様々な企画を検討中だ。「これからも環境と検索のつなげるためにできることがあればやっていきたい」と語る永井さんと澤村さん。goo の木が森に成長する頃には、また新しい取り組みが見られるかもしれない。



